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FusionPlace 1.2 リリースしました

本日、FusionPlace 1.2をリリースしました。


前回と同様、お客様からの要望にもとづく改善点として、Excel-Link の設定情報をコピーできる機能や、設定情報を仕様書として出力できる機能を追加しています。この仕様書は、スプレッドシート統制への対応にもお役立て頂けるのではないかと期待しています。

今回はその他の改善点も盛りだくさんです。明らかに欠けている機能として気になっていた、コマンドラインインターフェースも追加しました。これで、データやマスタのインポート処理を定時実行することができるようになりました。ついでに、こうしたインポート処理を実行する Web API も公開してしまいました。会計ソフトや販売ソフトのベンダーさんが、この APIを使って FusionPlace と連携をとって下さると嬉しいなと考えています。

個人的に満足度が高いのは「テキスト式[*1]」の「ディメンションメンバ」オブジェクトに追加した「shares_ancestors_with」というメソッドです(オブジェクト? メソッド? なんと、テキスト式はオブジェクト指向言語なのです)。これは、ディメンションの2つのメンバ(要素)が、特定の条件を満たす共通の先祖(ancestor)を持つかどうかを判定する機能を提供します。従来のバージョンでは、組織変更の際には、ディメンションの階層構造の変更に加えて、データアクセス権限に関する設定変更が必要でしたが、このメソッドをうまく使うと、そうした設定変更が不要になります。使い方を解説する文書を作成してフォーラムにアップするつもりです。

多次元データベース製品は世の中にたくさんありますが、うまく運用されている例はかなり少ないような気もします。その理由のひとつに、組織変更対応に関する標準解がないという問題があると、ずっと感じてきました。shares_ancestors_with は、その問題に対する有力なソリューションになり得ると考えています。

FusionPlace は、日々、進化しています。乞うご期待。

[*1] 「テキスト式」は、FusionPlace で、文字列処理や条件記述に用いることができる簡単な式言語です。例えばテキスト式で「#ACCOUNT!@CUR!#DRCR = "DR"」と記述すると、「勘定科目(#ACCOUNT)」ディメンションの「現在のメンバ(@CUR)」の、「貸借区分(#DRCR)」が借方(DR)かどうかを判定する意味になります。現在のメンバとは、典型的には、多次元のキューブ中の、いままさにアクセスしているセルにひも付けられたメンバです。