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会計×IT の深層へ

2006-01-01から1年間の記事一覧

主キーの設計⑥-数学をちょっとだけ(その3)

シリーズになってしまった「主キーの設計」も今回でようやく終わりだ。前々回ではリレーションに対する代替案として「リレーション関数」なる概念をひねり出した。前回はリレーション関数モデルの上で正規形と正規化を再定義した。今回はリレーション関数モ…

主キーの設計⑤-数学をちょっとだけ(その2)

前回に引き続いて数学である。前回は「リレーション」の代わりに「リレーション関数」を土台としてリレーショナルモデルを再構築できないか、という提案をした。そして「リレーション関数」の数学的定義を作ってみた。今回は、この新たな基礎の上に、正規化…

主キーの設計④-数学をちょっとだけ(その1)

主キー論争の分析その④である。 といっても、前のエントリーですでに、主キーの存在を抹殺したので、論争の焦点そのものが雲散霧消してしまった。今回は付け足しとして、数学の話をする。 この「主キーの設計」シリーズ、僕は近年稀に見る気合をいれて書いて…

主キーの設計③-いいとこ取りは可能か?

主キー論争の分析その③である。 前のエントリーでは、コード派とID派の意見の相違の源泉には、コッド博士が作り出した正規化の理論の取り扱いをどうするか、という問題が横たわっているという仮説を提示した。そして、正規化の理論には「エンティティ」の居…

主キーの設計②-正規化って何ですか?

主キー論争の分析その②である。前のエントリーでは、最終的にできあがるデータベースの形について検討した。僕の結論は、内部識別子(アソシエーションの実装用の識別子)としてIDを用いることについては、コード派もID派も同意できるのではないかというもの…

主キーの設計①

主キー論争(データベース設計で、どういうものをテーブルの主キーとすべきかという議論)が再燃しているようだ(こことかこことかこことかここ)。

SI業界と「逆選択の経済」

NATROMさんの日記経由bewaadさんのブログで「逆選択」という概念を知った。

コントロールデータの設計

EDPシステムの環境適応力を高めるために、ある種の情報をプログラムコードの中に埋め込むことを避け、設定ファイルやデータベース上に保存することがある。システムパラメータとかコントロールデータと呼ばれるものだ。

ウォーターマーク・アプリケーションズの製品

最近はコンサルティングの仕事が忙しくてそっちにかまけがちだが、ウォーターマーク・アプリケーションズ(僕の一人会社)は、会計系のアプリケーションパッケージソフトウェアを開発する会社でもある。 ==== 会計系といっても取引処理ではなく、たとえば各…

業務システムモデリング練習帳

渡辺幸三さんの新著「業務システムモデリング練習帳」を読んだ。渡辺さんの本はいつも、理論だけでなく具体的なサンプルシステムを示しながら書かれているのが素晴らしい。「リアリティへの執着」は、システム作りの掟の第一だ。 僕としては、第6章の「家計…

システム開発契約

以前勤務していた会社で、僕の所属するチームは、連結会計とか予算管理といった経営管理業務に特化した上で、要件定義からシステム開発・運用サポートまでのサービスを一貫して提供するというビジネスをしていた。コンサルティング会社の事業としては、すこ…

業務システムとオブジェクト指向

業務システムの設計・開発を職業とする人々の間で、オブジェクト指向はいまだに一般的なものと受け止められていないように思える。しかし実際にやってみると、オブジェクト指向は業務システムにうまく馴染むし、システムの品質とメンテナンス性の改善につな…

増減複式簿記の論文掲載

増減複式簿記についての論文が、「企業会計」誌5月号に掲載されました。 ==== タイトルは「増減複式簿記-キャッシュフロー時代に即した簿記の拡張」としています。 この論文掲載が、増減複式簿記というコンセプトに少しでも多くの方が目を向けていただく機…

仕訳と元帳の関係

仕訳と元帳の関係など、あらためて考えてみようという気にならないかもしれないが、ちょっと簿記教科書流の思考をはなれてシステム視点から眺めてみると、意外に興味深いことも隠されている。 ==== 仕訳-元帳システムはいくつかの視点で分類できる。今回、…

「仮置き」のススメ

業務の見直しやシステム構築には非常に多くの要素が係ってくるので、そうした試みは、しばしば連立方程式の様相を呈してくる。部門間の役割分担を決めようとするとEDPシステムの機能を決めなければならず、EDPシステムの機能を決めようとすると役割分担の不…

山頭火

分け入っても分け入っても青い山 山頭火のこの句を初めて読んだのはいつのことだったか。いつのまにかひっそりと、心の隅に根づいてしまった。 分け入っても分け入ってもと読むとき、心の奥深いところにある不安と戸惑いが共振する。しかし、分け入った先は…

二種類の実務知識

仕事をする上ではさまざまな実務知識が必要になるが、そうした知識には二つの異なるカテゴリーのものが含まれている。

年頭にあたって

コンサルティング会社を辞めてそろそろ二年半になる。その間、依頼を頂いた時にはコンサルティングの仕事をしながらも、念願どおり、パッケージソフトウェアの開発に相当の時間を割くことができた。